2018/11/28
眼の下、ちょうどほっぺたのあたりが腫れて痛がるというワンちゃん。
このあたりの腫れは、眼窩下膿瘍といって歯の根っこが原因の事が多いんです。
歯周病から根っこが悪くなり、増殖した細菌がほっぺた側にも膨らんでくるんです。
さて、今回もそれでしょう。
どれどれ・・

ん?歯が無い・・・。
すでに抜歯してあり傷はきれいに治っているようですね。
それでも腫れている。
ということで口腔内のレントゲンを撮ってみますと、

折れた歯根が残っているんですね。(青線)
そんで、その歯根の周囲には病巣がみえます。(赤線)
この歯根を取らないと腫れは治りそうにありませんね。
ということで切開して歯根を確認。

こんな感じで歯根の向きと深さを確認しまして。
抜去。
このあたりの処置は注意してやらないとかなり出血することがあるんです。
丁寧に丁寧に・・・。
反対側の歯を見ると歯根に吸収像がありますね。

おそらくここで折れて先が残ってしまったんでしょう。
折れて残った歯根を抜くのはずいぶんと手間がかかります。
それから歯周病のひどい犬歯も抜歯。

犬歯は抜いた後に大穴が空くので、こうやって歯肉を切開して覆って縫い付けるんです。
なかなか時間のかかる処置です。
歯が抜けたら良くなったんですよ~なんて話をよく聞きますが、
歯が抜けたのに良くならないんです~って話もけっこう聞きます。
ご注意ください。
今年の冬の標語
悪い歯と 火の消し忘れは 放置せず